本年度の目的は、受験者から発せられた質問から、その受験者のさまざまな資質を評価するための評価指標を設計することである。この目的を達成するために、本年度は以下のような取り組みを実施した。 1.高等学校の教育現場における質問状況の調査 平成15年度から道内でスーパーサイエンスハイスクールに指定された帯広柏葉高等学校と共同で、創造性の指標のひとつとして生徒の質問状況に関する調査を実施した。質問の内容を分析し、分類するとともに、質問が発せられる元となった文脈を明らかにした。 2.高等学校の理科の教科書の単元間の関係に関する調査 受験者の質問の評価に基づく入試を実現するためには、質問の対象となる課題を設計する必要がある。そのために、理系離れや学力低下に関係に深い理科を対象に、教科書の内容を十分に把握するとともに、その単元間での相関を明らかにした。 3.受験者の質問に基づく新しい入試方法プロセスの設計 上述した調査に基づき、質問からどのような資質を測定するかという評価指標とそれらを評価するためのプロセスを設計した。 次年度は、以上の研究結果に基づき、受験者の質問に基づく新しい入試方法を支援するコンピュータシステムのプロトタイプを試作し、評価を行う。
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