研究概要 |
本年度は,キャラクター・エデュケーションについての基礎的研究として資料収集及び調査を行うとともに,米国において授業実践,授業分析を実施し,結果の考察を行った。 まず,米国におけるキャラクター・エデュケーションについて,文献調査や関係学会への参加及びイーストカロライナ大学の協力等により資料の収集,整理を行った。ここでは,わが国の学校教育における児童の自己認識育成との比較を通して,その枠組みや体制の特性,わが国の生活科教育,社会科教育,道徳教育等における授業構成等との異同を明らかにした。 次に,米国での授業研究は次のとおり実施した。先の基礎的研究で得られた内容を基にして,生活科における「自分自身への気付き」に関連した学習材,ワークシート,学習指導案等を作成した。これらを学習パッケージとして米国に持ち込み,ノースカロライナ州グリーンビル市内のElmhurst小学校及びWahl-Coates小学校において,授業実践研究を実施した。3クラス3時間の授業記録について,データの記録,分析を行い,日本における「自分自身への気付き」に関する学習の構成と比較し,それぞれの特性について考察を行った。その結果,自己認識へのアプローチの方法や授業スタイルが,児童の思考プロセスや文化的背景によって影響を受けていること,授業の基本理念や構造には共通点も多いこと,また児童の自己認識育成に関する諸問題は相当部分が共通していることなどが明らかになった。
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