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2005 年度 実績報告書

正標数の高次元カラビ・ヤウ多様体の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15654002
研究機関東京大学

研究代表者

桂 利行  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40108444)

研究分担者 宮岡 洋一  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50101077)
キーワード正標数 / カラビ・ヤウ多様体 / チャーン類 / 普遍族 / モジュライ空間 / コモホロジー群
研究概要

本年度の研究成果は,2次元Calabi-Yau多様体であるK3曲面とそのモジュライに関するものが中心になった.M_<2d>を次数2d(p 〓2d)の偏極K3曲面のモジュライ・スタック,π:X→M_<2d>を偏極K3曲面の普遍族とする.V=π_*(Ω^2_<X/M_<2d>>)とおき,その第1Chern類をυ=c_1(V)とおく.また,t_2=c_2(Ω^1_<X/M_<2d>>)とおく.任意の0以上の整数lに対しπ_*(t^<l+1>_2)を有理係数のChow群の中で,υの式として表せばa_lυ^<2l>の形となるが,有理数a_lを具体的に決定した.また,M_<2d>の接束をΘとするとき,M_<2d>のGrothendieck群に於けるΘを,H^2_<dR>とVを用いて表示し,c_1(Θ)=-19υなることを示した.これらの事実および周辺の結果を論文にまとめ海外共同研究者G.van der Geerとの共同研究としてMoscow Math.J.に発表した.また,正標数における単有理曲面の研究の成果をK3曲面の場合を中心としてCreteにおける研究集会で発表した.Calabi-Yau多様体の場合には接束の第1Chern類が消える.そのことによって,Calabi-Yau多様体は素粒子論における超限理論で重要な役割を演ずるが、Higgs束も素粒子論において重要な役割を有している。Calabi-Yau多様体の接束のように第1Chern類が消えるようなHiggs束を考える.これらのベクトル束はSimpsonの結果から安定なものはn次元射影多様体Xの基本群π_1(X)の特殊線形群SL(r,C)への線形表現から得られることが導かれる.研究分担者宮岡洋一は,第1Chern類が消えるような安定Higgs束の興味深い例をいくつか構成した.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 その他

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] An example of stable Higgs bundles for which the Bogomolov inequality fails2005

    • 著者名/発表者名
      Y.Miyaoka
    • 雑誌名

      第50回代数学シンポジウム報告集

      ページ: 2003-2009

  • [雑誌論文] Note on tautological classes of moduli of K3 surfaces

    • 著者名/発表者名
      G.van der Geer, T.Katsura
    • 雑誌名

      Moscow Math.J. Accepted for publication

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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