研究概要 |
5月に独Hannover大学を2週間訪問し,Hulek教授とbilevel付きAbel曲面のモジュライ空間について議論し有益な知見をえることができた.Cubic 4-fold Xのsymplectic自己同型群Gについての研究状況は次のとおりである.まず自己同型はambientの5次元射影空間の自己同型,言い換えると6次正則行列σより誘導される.Xの定義方程式をF=F(x, y, z, u, v, w)とするとき,σF=cFをみたす定数cが存在する.X=Det σ/c^2はσを定数倍で取り替えても不変である.よって,XはGの1次元指標になる.これが自明なとき,作用はsymplecticという.Gの元の位数は8以下か11が15で,2次コホモロジーへの作用のtraceは一つの例外を除いて(Mathieu指標)-1に等しい.これらをMathieu型という.Mathieu型の元のみよりなるsymplectic作用の分類を現在実行中である.Gの中で極大なものを分類し,すべてMathieu群M_<23>の部分群と同型であることとを示したい.極大なものには7次交代群や位数660の有限Chevalley群がある.位数8の初等abel群が作用できないことが有用である.群作用で固定されるX内の直線もsymplectic 4-foldとの関係で重要である.標数2ではMathieu群M_<12>が作用できることにも注意したい.
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