研究課題/領域番号 |
15654007
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中村 博昭 岡山大学, 理学部, 教授 (60217883)
|
研究分担者 |
田中 克己 岡山大学, 理学部, 助教授 (60207082)
吉野 雄二 岡山大学, 理学部, 教授 (00135302)
山田 裕史 岡山大学, 理学部, 教授 (40192794)
廣川 真男 岡山大学, 理学部, 助教授 (70282788)
勝田 篤 岡山大学, 理学部, 助教授 (60183779)
|
キーワード | グロタンディーク・デッサン / リーマン面の被覆 / タイヒミュラー空間 / 組紐群 / 写像類群 / 定義体 / モジュラー関数 / ベリー関数 |
研究概要 |
今年度は、本研究課題の初年度として、準備的な考察と情報収集のための環境整備や情報収集を行った。上智大学の魚皆宏氏との共著論文"Harmonic and equianharmonic equations in the Grothendieck-Teicmueller group, II"の中でレムニスケート楕円曲線のグロタンディーク・デッサンとしての位置づけを用いて、ガロア群のグロタンディーク・タイヒミュラー群の中での振る舞いを研究し、有用な4次方程式の1-パラメータ族を発見的に導くなどの成果をあげた。この場合はHarmonic非調和比に相当するが、equianharmonic非調和比について同様の考察をすると目下のところ困難があることが判明した。これに対しては今後さらに研究を続行する余地がある。いずれにせよAnderson-伊原のアデール的ベータ関数の理論の特別な場合を直截精細に記述することに結びつ<。 12月にはカリフォルニア工芸州立大学のG.Kato教授を岡山大学に招聘し、物理学のミクロサイズの問題とGrothendieckトポスを用いて解釈する手法や導来圏の理論について講演をして頂くとともに、個人的にさまざまな数学的可能性について意見交換を行った。グロタンディーク・デッサンの曲面上のグラフとしての性質については、組合せ位相幾何学的な側面、理論物理学におけるファインマングラフとの類似性,モノドロミー群としての表示、Belyi関数と呼ばれる代数方程式による記述など、多岐にわたる関連性がある。また整数論の未解決問題のひとつであるABC予想に対するgood tripleの構成問題も,種数1のデッサンの構成と密接に関わっているが、そのメカニズムを完全に制御するには至っていない。 来年度以降に向けて研究を続行するため書籍購入などを通じて情報を収集し、またそれらを整理するための準備を行った。
|