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2005 年度 実績報告書

ランダム行列に関連する無限次元確率力学系

研究課題

研究課題/領域番号 15654016
研究機関九州大学

研究代表者

長田 博文  九州大学, 大学院数理学研究院, 教授 (20177207)

キーワード行列式過程 / フェルミオン / 無限粒子系 / Dysonモデル / 拡散過程 / 2次元プラズマ / Ginibre Ensemble / 無限次元確率微分方程式
研究概要

この研究では、ランダム行列に関係する無限次元確率力学系を構成し、その性質を調べることを目的とした。これらの確率力学系はその定常分布で特徴づけられる。それが、ランダム行列のスペクトラムのスケーリング極限になるときを、この研究は主眼としている。この定常分布は行列式測度となり、核関数で定義されるが、今年度は核関数がAiry関数の場合、および指数関数の場合を研究目標とした。前者に関しては、研究の進展はわずかであったが、後者については、めざましい進展があった。
このモデルは、2次元空間の無限粒子系であり、定常分布は、Ginibre Ensembleとよばれる、ランダム行列のスペクトラムの極限となっている。この定常分布は、2次元空間の回転・平行移動でも不変な確率測度である。物理的には、2次元クローン力によって相互作用しまた中心力を受ける、単一符号のプラズマについての確率力学系である。
本年度、まずDirichlet空間理論をもちいて、この確率力学系の構成を行った。その際にこの定常分布の統計的性質(無限粒子系の空間の幾何的性質)が必要となるが、それを白井氏の結果を拡張することにより必要な結果を得た。さらに、この確率力学系を、無限次元確率微分方程式の解として表現した。その際に、無限次元の確率微分方程式を解くための、一般的かつ簡明な方法を開発した。これはGibbs測度を定常分布とする、通常の干渉ブラウン運動にも適用できる方法である。
従来、本研究のに現れるような無限次元確率微分方程式は、係数の特異性が高く、方程式を形式的に書き下す以上に、それをとくことは難しいと思われたが、Dirichlet形式理論と、ある概念的なアイデアを用いることで解決できた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Singular time changes of diffusion on Sierpinski carpets2006

    • 著者名/発表者名
      H.Osada
    • 雑誌名

      Stochastic processes and its applications (in press)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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