研究課題/領域番号 |
15654023
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小川 卓克 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20224107)
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研究分担者 |
服部 哲弥 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10180902)
木村 正人 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (70263358)
後藤 俊一 北海道教育大学, 教育学部, 助教授 (30225651)
石井 克幸 神戸大学, 海事科学部, 助教授 (40232227)
松本 敏隆 広島大学, 理学部, 助手 (20229561)
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キーワード | Navier-Stokes方程式 / 調和写像流 / Euler方程式 / 解の正則性条件 / Besov空間 / 対数型臨界Sobolev不等式 / 粘性消滅極限 / 複素Ginzburg-Landau方程式 |
研究概要 |
研究実績は以下のとおり. 研究代表者の小川は研究協力者の谷内と共同で臨界型の対数形Sobolevの不等式(Brezis-Gallouetの不等式)を斉次,非斉次Besov空間に拡張した。またそれを用いて非圧縮性Navier-Stokes方程式の弱解の一意性判定条件、3次元Euler方程式の解の爆発判定条件の精密化を行った。さらに有界領域のような境界を持つ場合に、これらの不等式を拡張して、Euler方程式の爆発判定条件を拡張した。また協力者の横田智巳とともに、2次元一般領域における、複素係数を持つGinzburg-Landau型方程式の初期値境界値問題を考えて、その弱解の一意性と、粘性係数にあたる係数の実部を0に近づけたときのいわゆる粘性消滅極限を議論し、従来得られていなかった2次元一般領域の問題に対して弱解が対応する非線形Schrodinger型方程式の解に強収束することを示した。また分担者の石井と協力者の後藤陽子と共同で平均曲率流方程式を等高面の方法で考え、そのBence-Merrimen-Osher型の数値解析アルゴリズムの解への収束を、半線形熱方程式の解に対する特異摂動の観点から考え、粘性解の方法により証明した。 分担者の木村は表面張力による二相間の界面運動を記述するAllen-Cahn型の数理モデルに対してその解析を行った。これは界面エネルギーとして総変動量を用いたもので通常の偏微分方程式の枠組みでは扱えず、極大単調作用素、劣微分などの関数解析の理論を駆使することで初めて可能になったものである。従来の枠組みを超えた数理モデルの解の性質を一般多次元の場合に詳しく調べることで、界面現象の数理モデルに対する新たな可能性を探るとともに、劣微分の表現定理・比較定理・変分構造などを利用した解析手法を開発した。分担者の松本は生成作用素の定義域が稠密でないanalytic semigroupおよび、integrated semigroupの時間に依存しない非線形摂動を考察し、汎関数を用いた一般的な増大条件の下で、弱解を与える発展作用素が存在するための必要十分条件を、方程式に対する陰的差分近似の存在によって与えた。
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