研究概要 |
ハレー彗星ダストの赤外観測で初めて,結晶質のシリケート・ダストの存在を示すスペクトルが観測されて以来,多種の天体で普遍的に存在するらしいことが観測的に明らかにされるるある.本研究では,多種の天体で観測されつつある結晶質ダストに着目し,結晶化素過程およびダスト粒子のミクロな構造の研究,天体環境の熱史のプローブとして用いるための基礎研究およびこれらの研究をもとにした「最高到達温度計」の確立についての研究を行なう. 今年度は彗星シリケート・ダストの新しい結晶化メカニズムを提唱し,その有効性を検討した.この説では,アモルファス・シリケート粒子を覆う有機物の化学反応熱によってシリケート粒子を結晶化する.この研究は2003年のIAU General Assemblyの際のシンポジウムで招待講演として発表した.シンポジウムは彗星ダストの結晶化の研究の現状の困難と問題点を議論する場として企画された.上記の講演は,シンポジウムのサマリーでオーガナイザーから彗星ダストの結晶化問題の困難を解決するway outの研究として評価を受けた. この研究の予備的結果はすでにHighlights in Astronomyに投稿し,現在印刷中である.本論文は現在まとめつつある.
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