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2004 年度 実績報告書

オルソポジトロニウム三光子崩壊の三体スピン相関測定による量子非局所性のテスト

研究課題

研究課題/領域番号 15654033
研究機関東京大学

研究代表者

酒井 英行  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90030030)

研究分担者 矢向 謙太郎  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (50361572)
キーワードGHZモデル / オルソポジトロニウム / コンプトン偏光計 / 量子もつれ / 局所実在論 / スピン相関
研究概要

本研究は、オルソポジトロニウム(O-P)の崩壊で生成する三光子の三体スピン相関を測定することにより、グリーンバーガー・ホーン・ザイリンガー(GHZ)の定式化に基づいた量子力学と局所実在論の予想の相違をテストすることを目的としている。レーザー光のパラメトリック下方変換法を用いて量子もつれ状態を作る方法では常に純度が問題となるのと対照的に、O-Pを用いる方法は、コヒーレンス度が100%になることが特長である。
実験は、O-Pが崩壊して生成した三光子が、互いに120°の角度をなして放出された事象について、三光子の偏光を同時測定して行う。
まず、コンプトン偏光計を開発した。散乱体をプラスチックシンチレーション(Pl)検出器(25mm^φ×25mm^h)とし、散乱体中の電子とコンプトン散乱した光子をそれぞれ上下左右方向に設置した4台のNaI検出器(32mm^φ×33mm^h)で検出し、その非対称から、直線偏光を検出する。パラポジトロニウムの二光子崩壊の偏光が完全相関を持つことを利用してこれを較正・最適化し、偏光分解能0.57、検出効率6×10^<-3>を得た。この結果は、散乱体中のコンプトン散乱過程とNaI検出器における光子検出過程を現実的に考慮したモンテカルロシミュレーションと良く一致した。三光子測定時には、光子のエネルギーが下がるので、偏光分解能0.40、検出効率4×10^<-3>になると予想される。
この結果を元に、三光子偏光測定系を構築した。^<22>Na陽電子源を密度0.1g/cm^3のエアロジェルで挟み、それを窒素ガスで満たした18mm^φの試験管に入れO-Pを効率よく生成し、三光子が互いに120°の角度で放出される事象を鉛コリメタで選択し、それぞれを開発した偏光計で測定するものである。この様に初期の研究目的は完全に達成された。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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