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2003 年度 実績報告書

音響放射圧による超流動液体中のヘリウム結晶の移動と制御

研究課題

研究課題/領域番号 15654046
研究機関東京工業大学

研究代表者

野村 竜司  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (00323783)

研究分担者 奥田 雄一  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50135670)
キーワード量子固体 / 量子液体 / 超流動 / 超音波 / 音響放射圧 / 結晶成長 / 結晶核生成 / 非線形音響学
研究概要

我々は超音波を用いるとその方向に応じてヘリウム4結晶を自由に成長、融解、核生成できることを発見した。これは音響放射圧によるものと考えている。放射圧とは超音波が表面で反射したとき、音波の運動量が表面に渡されて力を受けるというものである。物体を非接触で動かす力としては昔から良く知られていたが、これが結晶成長のような一次相席移を駆動するかどうかなどは全く知られていなかった。低温で結晶成長係数が大きくなる固体ヘリウム4で始めて明らかになった。この音響放射圧を用いて超流動ヘリウム中の固体ヘリウムの運動を調べるのが本研究の目的である。
この音響放射圧を用いると過加圧下で存在する準安定状態の超流動ヘリウム4中に固体核を制御して生成することにも可能となった。固体核は高い確率で超音波発振子上に生成した。この固体を更に成長させると重さに耐えかねて超流動ヘリウム中を"自由"落下していった。重力を利用して試料室上部に生成したヘリウム4結晶が下方に移動して行ったことになる。そのときの落下の加速度は約0.1Gであった。核生成用、落下中、底面へ衝突した結晶の大変形などの現象を高速度カメラを用いて撮影した。その運動様式には結晶の界面易動度の異方性を反映して、液滴の運動などの等方的な場合と比較して特異な形態が現われた。粘性の無い液体中での落下現象というのはこれまでに研究されたことが無く、ダランベールの背理などの流体力学の基本的問題と絡んで非常に興味深い

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] S.Kimura, F.Ogasawara, R.Nomura, Y.Okuda: "Nucleation of Solid ^4He by Acoustic Waves"J.Low Temp.Phys.. 134. 145-150 (2004)

  • [文献書誌] R.Nomura, Y.Suzuki, S.Kimura, Y.Okuda, S.Burmistrov: "Manipulation of a ^4He solid-liquid interface by acoustic radiation pressure"Low Temp.Phys.. 29. 492-494 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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