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2005 年度 実績報告書

土星の衛星タイタンの対流雲の数値モデルを用いた研究

研究課題

研究課題/領域番号 15654065
研究機関九州大学

研究代表者

中島 健介  九州大学, 大学院理学研究院, 助手 (10192668)

キーワード惑星大気 / 積雲対流 / 火山 / 土星 / 太陽系 / タイタン / メタン / カッシーニ
研究概要

1.雲対流数値モデルの完成:昨年度までに作成してきた雲対流数値モデルに、簡略なメタンの相変化と雲物理過程を導入し、タイタンの大気構造での雲対流計算が可能となった。ただし、大きな過飽和度を含む場合の熱力学過程については課題が残った。また、長時間の数値実験のために必要な、放射過程も単純化したものにとどまっている。
2.数値実験の実行:上のモデルを用いて長時間の数値計算を行い、平均的な大気構造と雲の活動度を見積もった。その結果、ホイヘンス探査機が観測したような、比較的低いメタン相対湿度の元でも、活発な対流雲活動が生じた。しかし、雲の到達高度は十数キロ程度であり、カッシーニが観測した高度(35キロ)を説明するためには、平衡構造としての雲対流では不足であり、何か特別なメカニズムが必要であることが示唆される。
3.火山を想定した数値実験の実行:地質学的時間スケールの収支の考察と、カッシーニによる観測から、タイタン表面では火山活動でメタンが放出されることが示唆される。そこで、火山を想定して、大気下層に熱・メタンを供給した条件での大気運動を計算した。その結果、条件によっては高度40キロ近くまで到達するメタンの雲活動が説明できる。
4.非平衡凝縮による雲活動の数値実験:過飽和が凝結の臨界値近くにまで高まっていれば、大気のどこか生じた音波・重力波が鉛直・水平に伝播し、これが初期擾乱から離れた地点でも雲活動を励起する可能性がある。このような設定での数値実験を幾つか行った結果、非常に短時間で上方に成長する雲活動が生じ、観測を説明できる可能性がある。
5.研究の一環として、欧州地球科学連合学会に出席し昨年度までの成果を発表するとともに最新の観測結果について情報収集を行った。さらに、上の第2項については、米国地球物理学連合秋季大会にて発表を行った。他の成果について、今後、関係雑誌に投稿予定である。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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