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2004 年度 実績報告書

岩屑なだれの流動現象の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15654069
研究機関京都大学

研究代表者

鎌田 浩毅  京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (80303791)

研究分担者 酒井 敏  京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (30144299)
キーワード岩屑なだれ / 動摩擦係数 / 温度履歴 / 流れ山 / 溶岩ドーム / 粉体流 / メガブロック / 熱残留磁化
研究概要

岩屑なだれは火山体の上部が崩壊するときに生じ、ほとんどの成層火山で成長末期に認められる普遍的な火山現象である。岩屑なだれの温度履歴と流動状態の推定に関して九州と北海道に分布する岩屑なだれ堆積物の現地調査を行い、岩屑なだれに特有の流れ山地形の内部の岩石と周辺部の岩石の双方からの定方位試料を採取した。試料に対して消磁装置を用いて熱残留磁化の段階消磁及び交流消磁を施した。高温成分は揃わないが低温成分が揃うことが判明した。岩屑なだれを発生させた溶岩ドーム付近の山頂において、隣り合う小岩塊群で400℃以下100℃以上の温度範囲までに冷却したものが一旦堆積した。これは1個のブロックとして流下し現在の岩屑なだれ堆積物分布域に着地したものと推定される。ブロック内で磁化方向が集中しブロック間では偏角の異なる磁化方向を示し伏角は偏角より集中することは、岩屑なだれの流走中にブロックは反転することなく基本的に水平面内の回転を行い下方向の転動は少なかったというコーヒーカップモデルで説明できる。岩屑なだれ堆積物の供給源となった溶岩ドームの一部が崩壊し、比較的高温の堆積物として一旦堆積し冷却した。その後、山体全体が岩屑なだれとして崩壊することによって、この堆積物の一部がブロックとなり岩屑なだれ中の1個のブロックを構成する隣り合った小岩塊群となって現在に位置に流下したと考えられる。また、動摩擦係数に関する実験では、岩屑なだれに常に伴う火山灰状のマトリクスに着目し粉体を岩屑なだれの下部に敷いた場合の動摩擦係数が小さくなり得るものかどうかの実験と計算機上の検討を行い、動摩擦係数が有意に小さくなることを実証した。これらの結果は,破壊的な威力を持つ山体崩壊に由来する岩屑なだれの関する火山災害予測のための基礎データとして非常に興味深く,また粉体を含むメガブロックの挙動に新たな具体的事例を提供したという意義を持つ。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Eruption and emplacement of the Yamakogawa Rhyolite in central Kyushu Japan : A model for emplecement of rhyolititic spatter.2004

    • 著者名/発表者名
      Furukawa, K., H.Kamata
    • 雑誌名

      Earth, Planet and Space 56巻8号

      ページ: 517-524

  • [雑誌論文] Iron-titanium oxide minerals in block-and-ash-flow deposits : implications for lava dome oxidation processes.2004

    • 著者名/発表者名
      Saito, T., N.Ishikawa, H.Kamata
    • 雑誌名

      Journal of Volcanology and Geothermal Research 138巻4号

      ページ: 283-294

  • [雑誌論文] Shallow Large Tunnel Construction in Hard Lava and Soil-like Scoria with Soil Improvement at Mt. Fuji Area2004

    • 著者名/発表者名
      Soya, M., Nakai, T., Saitou, K., Nagao, S., Kamata, H.
    • 雑誌名

      Proceedings World Tunnel Congress 13th ITA Assembly H08号

      ページ: 1-10

  • [図書] 地球は火山がつくった-地球科学入門2004

    • 著者名/発表者名
      鎌田浩毅
    • 総ページ数
      207
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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