研究概要 |
本研究は,中性ナノ粒子の存在位置・滞在時間が拡散のみで決定される「微重力反応性プラズマ」中でのナノ粒子の発生・成長機構を,特にナノ粒子の構造形成過程に焦点を絞り,実験的に明らかにすることを目的としている.スパッタリングを用いたSiナノ粒子作製装置を用いて,本年度に得られた成果は,以下のとおりである. 1.通常重力下では,安定な結晶またはアモルファス構造のSiナノ粒子が形成されるのに対して,微重力環境下では準安定構造のSiナノ粒子が形成される.後者は,200keVの電子線照射により構造が変化する. 2.通常重力下に比べて微重力環境下では,ナノ粒子の生成効率が3桁程度も高くなる. 3.微粒子の平均サイズ,サイズ分布は通常重力下,微重力環境下で差がない. 4.プラズマ発光の空間分布,スペクトル,電子温度,イオン密度は通常重力下,微重力環境下で差がない. 来年度は,上述の差が得られた原因について検討を行い,ナノ粒子の構造形成過程を明らかにしていく予定である.
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