イオン性液体は室温で液体状態の塩である。本申請では、イオン性液体自身に可逆な応答機能を持たせる事を意識し、(1)光に応答し構造変化するアゾベンゼン基を持つイオン性液体を開発した。アゾベンゼンなど平面性の分子は、結晶化しやすく液状化させるために多様な試みをおこなった。その結果、液状化にするための指針を得ることができた。合成された室温で液体のアゾベンゼンイオン性液体の電気伝導度は、光照射によるシス-トランス異性化により大きく変化した。また、酸触媒能を持つイオン性液体合成し、ジクロロメタンと混合しないことを確認したため、両者の界面での機能性色素の触媒的合成を試みた。ポルフィリンの合成は、この二相系反応で触媒され、均一系反応よりも高濃度での合成を可能とし、さらに10回に及ぶ再使用後であっても触媒活性が失われない事を確認した。
|