両親媒性のオリゴ(メタフェニレンエチニレン)は溶液中で特定のコンフォメーションをとるフォルダマーとしての挙動を示すことが知られている。本研究では、そのらせん構造のピッチをダブルスピンラベルの手法を用いて明らかにした。2つのTEMPOスピンラベルの間を、4、5、6個の繰り返し単位ではさんだダブルスピンラベル体および対照実験用のモノスピンラベル体を設計、合成した。これらのオリゴマーはすべてクロロホルム中では、ランダムコイル構造、酢酸エチル、アセトニトリル中ではらせん構造をとっていることが紫外可視吸収スペクトルより明らかとなった。ESRの測定の結果、5個の繰り返し単位を間にもつ分子のときにラジカル間の相互作用が最も大きくなることがわかった。このことにより、オリゴ(メタフェニレンエチニレン)型のフォルダマーが6個の繰り返し単位でらせんの一巻きを作っていることが明らかとなった。この手法はフォルダマーの局所構造変化を調べるのに有力な手法である。
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