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2005 年度 実績報告書

酵素モデルらせん型分子のinduced-fit

研究課題

研究課題/領域番号 15655052
研究機関九州大学

研究代表者

松田 建児  九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (80262145)

キーワードフォトクロミズム / 分子磁性 / 光スイッチング
研究概要

ジアリールエテンは、繰り返し耐久性に優れたフォトクロミック化合物である。一方、疎水性のコア部位に両親媒性の側鎖を有する分子は、疎水性相互作用によりナノスケールの構造体を形成することが知られている。本研究では、ジアリールエテンをコアとし、両親媒性基としてpoly ethylene glycol (PEG)鎖を有する化合物を合成し、その光反応性を検討した。
合成した化合物は、ヘキサン、酢酸エチル等の有機溶媒中だけでなく、水中においても可逆なフォトクロミズムを示した。また、常温で透明であるこれらの化合物は、40-50℃付近で瞬時に白濁することが認められた。DLS, AFMによる観測により、開環体,閉環体共に水中において100nm程度の集合体を形成することが示唆された。キラルな置換基を有する化合物の場合、光閉環反応の前後において、酢酸エチル中では可視域にCDシグナルは現れないのに対し、水中においては閉環体の生成に伴って可視域に正の第一,負の第二cotton効果を持つ励起子分裂型のCDシグナルが観測された。また、このCDスペクトルは紫外・可視光照射によって可逆に変化することが確認された。光閉環体にジアステレオ過剰率(de)が観測されなかったことから、得られたCDスペクトルの変化は不斉閉環反応によるものではなく、水中において形成するキラルなナノ環境が、光開環・閉環反応に伴って可逆に変化していることを示唆するものである。更に、光照射によるORD変化は、吸収を示さない800nmにおいても観測された。このことから、フォトクロミック反応を示さない適切な波長の光を検出光として用いることで、旋光度変化による非破壊読み出しが行えると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Photoswitching of Intramolecular Magnetic Interaction Using Diarylethene Photochromic Spin Couplers2005

    • 著者名/発表者名
      K.Matsuda
    • 雑誌名

      Bull.Chem.Soc.Jpn. 78,(3)

      ページ: 383-392

  • [雑誌論文] Full-Color Photochromism of Fused Dithienylethene Trimer2005

    • 著者名/発表者名
      K.Higashiguchi
    • 雑誌名

      J.Am.Chem.Soc. 127,(25)

      ページ: 8922-8923

  • [雑誌論文] New Photoswitching Unit for Magnetic Interaction : Diarylethene with 2,5-Bis(arylethynyl)3-thienyl Group2005

    • 著者名/発表者名
      N.Tanifuji
    • 雑誌名

      J.Am.Chem.Soc. 127,(38)

      ページ: 13344-13353

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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