研究課題
昨年度の結果から、シュウ酸エタノール法による沈殿製膜よりも、シリカ球合成を用いた製膜において、ソフトソニケーション効果が明確に現れることを見いだした。TEOS(tetraethoxyorthosilicate)および水、アンモニアを出発原料とし、エタノール溶液中で合成したシリカ球を種々の方法で製膜した。得られた成果は以下の通り要約される。1.出発溶液のエイジングによるシリカ球生成の誘導期間、最終粒径、単分散性の向上は機械的撹拌(MS)に比べてソフトソニケーション(SS)で著しいことを明らかにした。2.エイジングにおいて、微量の水分が及ぼす影響について検討した。室温程度であれば影響は少なく、シリカ球の最終粒径は4ヶ月のエイジングで2倍にも達することを明らかにした。他方、エイジング温度を、50℃ほどに高めると、微量水分による加水分解が進行するため、粒径は急激に低下した。3.自然乾燥法、オイル浸潤法、引き上げ法について、シリカ球をガラス基板上に製膜し、透過スペクトルによる評価を行った。SS処理で単分散性を高めたシリカ球膜はコロイド結晶に優れていることを明らかにした。4.エイジング効果の発現機構を検討するため、CSI(= Cold Spray Ionization)質量分析によって、水・エタノール混合物の溶液構造変化を調査した。エイジングにより高m/zのピークは消失し、全体的に低m/z側へのピークシフトが再現性よく観察され、エイジングによる水・エタノールクラスタの微細化が示された。
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すべて 雑誌論文 (4件)
Journal of the Ceramic Society of Japan Vol.113,No.5(印刷中)
Journal of Ceramic Processing Research Vol.6,No.3(印刷中)
Journal of Ceramic Processing Research Vol.5,No.4
ページ: 391-394
超音波テクノ 16巻、4号
ページ: 13-17