研究課題/領域番号 |
15656010
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田中 信夫 名古屋大学, エコトピア科学研究機構, 教授 (40126876)
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研究分担者 |
山崎 順 名古屋大学, エコトピア科学研究機構, 助手 (40335071)
室岡 義栄 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40273263)
HAIDER M CEOS社, 代表
成瀬 幹夫 日本電子(株), 技術本部長
五十嵐 信行 日本電子(株), シリコンシステム研究所, 研究員
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キーワード | 収差補正 / TEM / SiO_2 / Si界面 / 原子直視観察 / 酸化状態 |
研究概要 |
SiO_2/Si界面は1970年代より半導体デバイスの最も重要な界面として研究されてきたが、ULSI時代を迎え1nmの巾のゲート膜が実現している昨今でされ依然として極めて重要な研究対象である。当然plan-viewおよびcross-sectionの試料の高分解能TEM観察もこれまで多数の研究者によって行なわれ、界面第1-2層にクリストバライト結晶層がある研究も一部報告されている。 しかしながら、通常の200kVのHRTEMを用いてこの界面を観察する場合、0.5-1.0mmの球面収差が対物レンズの存在するため、原子構造を見るためのシリコンの111格子像が高いコントラストで結像される条件は50-100nm程度アンダーフォーカス側である。この時、界面にはデイフォーカスに伴なうフレネルフリンジが出現し、上記の格子像と干渉して複雑な像コントラストを生じさせていた。この複雑なコントラストは、ある場合は「界面特殊構造」と解釈されたり、ある場合は「界面最上層原子間隔の伸び」として解釈されていた。 本研究では2年間にわたり200kV球面収差補正HRTEMでこの界面を観察した。その結果、従来のものより格段に分解能のよい界面の像を得ることに成功し、論文発表と新聞発表を行なった。 今後、装置の機械的振動の除去の努力をさらに継続し、0.11nm程度に分解能を向上させる。分解能がこのレベルになると、SiO_2/Si界面での酸化の現象を一原子層レベルで研究することが可能になる。この目標分解能の条件でのシュミレーション像からは、シェルツァーフォーカス近傍(Δf=7nm)で最上層のダンベル原子列の中に酸素原子列が分け入った状態が完全に直視化できることが確認されている。このようにシリコンのダンベルの完全分離像を容易に得られる装置が出現することは、半導体デバイスの基礎研究に極めて大きなインパクトを与えるものと期待され、本研究には産業界からも大きな期待が寄せられている。
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