研究課題
本研究では、申請者が見出した光磁束量子変換効果を用いて、フェムト秒光パルス信号による2次元光情報制御の可能性を探ることを目的とする。平成16年度は、昨年度構築した高温超伝導体中に存在する磁束量子を観測するための磁気光学顕微鏡を用いて、引き続き磁束量子を観測するとともに、CCD読み出しなど装置改良と、デバイスへの適用を行った。その結果、以下の成果を得た。1.構成のCCDを組み込み、ファラデー素子にはBi置換型希土類鉄ガーネットを用い、リアルタイムで高分解能に観測できる磁気光学顕微鏡を開発した。そのとき、空間分解能約1μm以下を得た。2.高温超電導体であるBi_2Sr_2CaCu_2O_<8+δ>薄膜における磁束の浸入の観測をした。そのとき、三角格子を構成する単一磁束量子の観測に成功した。3.単結晶とエピタキシャル薄膜との比較を行い、単結晶では、a軸方向に沿って並んだ磁束量列が観測されたが、エピタキシャル膜では観測されなかった。このことから、磁束粒子の配列には欠陥が大きく寄与していることが判明した。4.YBCO薄膜を用いて、磁束量子制御用リングデバイスを設計・試作した。5.上記リングデバイスにおいて、磁束量子の侵入を観測したが、単一磁束量子の観測にはいたらなかった。6.デバイス評価用にBi置換型希土類鉄ガーネットをスピンコート法により自作し、磁束量子観測に適用した。以上、光制御のデモンストレーションまでにはいたらなかったが、単一磁束量子観測システムを開発するなど、大きな成果が得られた。
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