1.少額資産の下でのインデックス・プラスアルファ・トラッキングモデルの研究 昨年度は、少数の銘柄でTOPIXなどのインデックスを上廻るパフォーマンスを実現するポートフォリオを構築するモデルの解法を考案し、この方法の有効性を検証した。この方法は大域的最適化法の分野で開発された分枝限定法に基づくものであるが、これで解くことが出来るのは、比較的小規模な問題に限られていた。 これに対して本年度は、整数計画法を利用することによって、解法の効率を大幅に改良すると共に、より大量のデータを用いて、予想通りこのモデルが、ほとんどの場合インデックスを上廻る事後パフォーマンスを実現することを実証した。 なおこの結果は、2005年1月にJournal of Industrial and Management Optimization誌に掲載された。 2.0-1整数計画法を用いた少額資産運用モデルの解法 本年度は、まず整数計画法を用いて、区分的に線形な凹型取引コスト、最小取引量制約、組み入れ銘柄数制約などを厳密に取り扱う方法を提案した。これらは平均・絶対偏差モデルをベースとしたものであるが、平均・分散モデルの下でも、取引コストや組み入れ銘柄数制約の取扱いが可能であることを実証した。 またこれらの結果については、2004年にオーストラリアで開催された国際会議、ICOTA6及び2005年3月の日本OR学会研究発表会などで発表した。
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