研究課題/領域番号 |
15656071
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
日高 邦彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90181099)
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研究分担者 |
熊田 亜紀子 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (20313009)
松岡 成居 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10114646)
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キーワード | 気体 / カー効果 / 電界 / 非接触 / 測定 / 電力機器 / 部分放電 / 診断 |
研究概要 |
気体カー効果測定システムを用いて、平等電界、不平等電界、及び空間電荷発生時の電界分布測定を行った。 気体のKerr定数は極めて小さく、カー効果による位相差の検出は非常に困難である。そこでレーザの光学的位相を変調し、それをロックインアンプにより同期検波することでS/N比を向上させた。He-Neレーザ(波長:632.8nm)より出射した直線偏光を音響光学変調素子(PEM)に入射する。PEMは45度傾けて設置されてあり、偏波間の位相差を50kHzで変調する。これにより楕円偏光になったレーザ光を測定対象部に通し、さらに偏光板で特定成分だけとりだし、0/E変換後にロックインアンプで同期検波している。測定システムの最小検出可能電界強度は4.9kV/cm(偏波間位相差で9.7μradに相当)、時間分解能は100μs、空間分解能はx方向に50mm、y方向に3mm、z方向に500mmである。 平等電界分布、不平等電界分布ともに、電界分布測定結果は、静電界計算による計算値と一致した。さらに高圧電極として1mmφ線電極を使用し、コロナ放電下における電界強度を測定した。線電極下端より5mm、15mm、25mmにおける電界値と印加電圧の関係は、コロナ放電が発生したと考えられる35kV前後より急激にKerr効果による位相差が大きくなることが確認された。この原因として、放電によりイオンが生成されたため、カー定数自体が大きくなった可能性が考えられ、部分放電による空間電荷検出という観点からは、きわめて少ない電荷の検出可能性を示唆したものといえる。
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