研究概要 |
静電コロナモータが回転時にオゾンを発生することを利用し,発生トルクが小さいことを改善できれば,オゾン水循環ポンプ用モータにも応用できることを目指して,開発を進めた。今年度は研究費の使用認可が下りたのが12月であったため,主として基礎実験を行い,また,コロナモータの構造の改善ならびに新方式のオゾン水発生方式を提案し,現在,特許申請の準備を進めている。以下,その概要を報告する。 (1)これまでのコロナモータは,ディスク型回転子(DVD)と固定子(放電電極)を交互に積み上げる方式であったため,部分修理等のメインテナンスが困難であった。そこで,固定子を二つに分割した方式を提案し,その実用性の基礎実験を行った。更に,着脱用スリット入りの電極も提案し,現在外部のプリント基板製作メーカーに製作依頼している段階である。 (2)最終的には,マルチディスク型コロナモータをオゾン水の循環ポンプの駆動部としても用いるが,その予備実験として,小形電磁型モータ駆動の遠心ポンプを設計・試作し,水での揚程が約1mを達成することができた。また,オゾン水生成の基礎実験も行った。なお,溶存オゾン濃度計による定量的な検討は今後の課題である。 (3)現在,前述の研究成果を踏まえて,「保守管理の容易なマルチディスク型コロナモータの提案(仮題)」と「コロナ放電を利用した簡易形オゾン水製造装置の開発(仮題)」について,特許申請の準備を進めている段階である。今後は,これらの提案を実機によって実証試験を行っていく予定である。
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