研究課題/領域番号 |
15656083
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
尾崎 雅則 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50204186)
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研究分担者 |
吉野 勝美 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70029205)
藤井 彰彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80304020)
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キーワード | フォトニック結晶 / 液晶 / コレステリック液晶 / 螺旋構造 / レーザー発振 / 欠陥モード / 局在準位 |
研究概要 |
本研究では、ナノ周期螺旋構造を形成するコレステリック液晶を紫外線照射により高分子化することにより一次元ナノ周期螺旋構造を固定化し、その光学的性質とレーザー色素の添加によるレーザー発振特性を明らかにするとともに新しい機能応用の可能性を探索することを目的とし、次の成果を得た。 (1)フリースタンディングコレステリックフィルムに高い量子効率を有する蛍光低分子色素を添加し光励起することにより、一次元フォトニックバンドギャップ端でのレーザー発振を観測した。このレーザー発振は、フィルムの曲げに対しても安定に起こり、曲げフィルムを線上に励起することにより、集光性のレーザー発振を実現した。 (2)時間分解蛍光スペクトル、時間分解吸収スペクトル測定により光励起された励起子のダイナミクスのフォトニックバンドギャップ効果を検討し、フォトニックバンドギャップ内での光の伝搬、特に発光した蛍光の伝搬特性、寿命等を明らかにした。 (3)フリースタンディング高分子フィルムを積層することにより、積層界面での螺旋方位角の不連続、すなわち捻れ欠陥に起因する局在準位の発現を見出し、その理論解析によるその発現メカニズムを明らかにした。 (4)捻れ欠陥の導入による欠陥モードの発現を伝搬マトリックス法で解析し、また、捻れ欠陥における光の局在化の様子をFDTD解析により明らかにした。 (5)捻れ欠陥を有する高分子化コレステリック液晶複合膜にレーザー色素を添加して、光励起することにより、フォトニックバンド内の欠陥モードの波長におけるレーザー発振を観測し、捻れ局在準位からのレーザー発振に成功した。 (6)曲げ変形等によるレーザー発振特性のを検討し、集光性面発光レーザーの実現に成功した。 (7)ソフト材料の柔らかさの特徴を生かして、フィルムに応力を加え周期構造を制御することにより、レーザー発振波長などのチューナビリティーを検討し、その知見を得た。
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