研究課題
本研究はディジタルゴーストに基づくマルチメディア用電子透かし方式を新たに提案し、その基本特性を理論と実験の両面から確認することを目的としている。平成16年度はDCT(離散コサイン変換)領域での画像信号に透かし情報を埋込む方式について研究を行った。本研究で得られた新たな知見等の成果は次の通りである。(1)ケプストラムを利用してディジタルゴースト画像から遅延検出を高感度に行う方法について性能比較を行った。その結果、両極性ゴーストモデルのケプストラム差分d pc(q)の相対値「d=d pc(M)-d pc(O)」を用いると、平成15年度に定式化した単極性ゴーストモデルの場合に比べて、検出感度が約2倍向上することがわかった。(2)次に、DCT領域でのゴーストに基づく透かし入り画像のSNR特性を調べた結果、「単極性ゴーストに基づく透かし入り画像のSNR(SNR1)-両極性ゴーストに基づく透かし入り画像のSNR(SNR2)≒3[dB]」であることが実験的に確認された。更に、「直交変換におけるエネルギー保存則」を用いて、DCT領域でのゴーストに基づく透かし入り画像のSNRを定式化し、「SNR1-SNR2=10log_<10>(2)≒3.01[dB]」となることを証明した。(3)DCT領域での両極性ゴーストモデルに基づく相関型透かし方式を用いて、各種の基本的攻撃(白色雑音付加、圧縮処理、クリッピング)に対する耐性実験を行った。但し、透かしデータとしてGold系列を用いた。その結果、これらの基本的攻撃に対して、提案方式は十分な耐性を有することがわかった。特に、クリッピングについては、透かし入り画像の約90%が除去されても透かし情報を検出できることが実験的に確認された。(4)研究成果を国際会議で発表すると共に、電子透かし技術および拡散系列に関する最新の資料を収集するために外国旅行(オーストリア、イタリア)を行った。
すべて 2005 2004
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電子情報通信学会WBS研究会技術研究報告 Vol.104 No.734
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Proc.of The 2004 International TICSP Workshop on Spectral Methods and Multirate Signal Processing TICSP Series #25
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