研究概要 |
低損失光導波路の作成行程に関して,LiNbO_3基板内部にTiを熱拡散法により分布して導波路を形成させる条件を検索した.その結果,以下の条件が最適であることが明らかとなった. (1)LiNbO_3基板上のTi薄膜厚さを1000Åとし,1,000℃・18時間の熱拡散処理によりTi層が10μ程度形成されることが,EPMAなどを用いた分析により明らかとなった. (2)熱拡散における雰囲気は不活性ガスのArが適していた. (3)上記の直線導波路における伝播損失は,2.2dB/cmであり,実用的な水準にほぼ達していることが確認された. (4)Ti拡散係数を求めることにより,処理前に導波路の幅(拡散距離)を推定可能である. (5)Ti熱拡散条件を最適化し,二分岐光導波路の作成も可能であり,この場合の伝播損失は6dB/cmであった. 以上のことから,光集積回路の基本的な作成プロセスを検証した. さらに,光集積回路を利用した光応用計測を用い,ガス検出を実現するための基礎情報として,二酸化炭素,トルエン,キシレンの光吸収波長について,分光分析装置を用い求めた.また,光導波路プローブによる高感度残留ガス検出システムを構築し,同システムの感度,精度,応答特性などについて検討を継続中である.
|