研究概要 |
CCDカメラを受像面と平行な方向にその水平を保ちながら高速に回転させると,計測点は円軌跡として撮影される.この円軌跡の半径は,CCDカメラの焦点から計測点までの距離に反比例し,近距離であると大きな円を描き,遠距離であると小さな円を描く.撮影された画像をコンピュータにより解析することで,多数の計測点の三次元位置を一度に検出することができる.しかしながら,カメラ自体を高速回転させるのは機構的に難しいのでCCDカメラの前に合わせ鏡を設置し,カメラを固定したままで,カメラ自体を回転させる場合と等価なシステムを試作した.しかしながら,計測点が多数存在する場合には,それぞれの円軌跡が重なり,画像処理が難しくなる問題が発生した.そのため,本研究では,合わせ鏡の一つをビームスプリッタに変更することで,円軌跡の中心を同時に撮影することを試みた.ビームスプリッタの1面に赤色フィルターを設置することで,円軌跡の中心点を赤色で撮影することができる.これにより,円軌跡の中心像の切り出しを容易にすることが可能になる.簡単な実験水槽を製作し,水中で運動するトレーサ粒子の動きを試作した撮像装置で撮影する実験を行った.ほぼ期待通りの画像が得られたが中心点の軌跡にはビームスプリッタによる光の屈折の影響で若干の振動が見られた.また,中心点の位置は,画像の中心から離れるにつれ放射方向にずれることが確認された.また,カラー画像ボードを用いて,色による識別を行い円軌跡と中心点を効果的に区別することが可能であることを確認した.
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