研究課題/領域番号 |
15656130
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
田村 哲郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (90251660)
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研究分担者 |
曹 曙陽 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (00334532)
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キーワード | 強風防災 / フライングデブリ / 都市 / シミュレーション / LES / SGS乱流モデル / 風荷重 / 危険度予測 |
研究概要 |
大都市圏に極大強風が発生した場合、建物の主体構造が耐えることができても、ある建築物が部分的には被害を受け、その際、建築部材、屋根材などの破損部分は、周囲に飛散する可能性を有し(フライングデブリの発生)、都市といった建築物が集中的に存在する場所では、二次的な強風災害を招く可能性が高い。特に、最近の都市における建築物を振り返ってみると、そのデザイン性の要求から窓面が大きくなって、ガラスが広く露出されている場合もあり、フライングデブリに対する脆弱性は重要かつ緊急な検討課題といえよう。本研究では、そういったことを踏まえ、LESによって予測された都市域での非定常的な強風乱流および個々の建物へ作用する局所負圧のデータを活用し、フライングデブリの発生過程およびその軌道計算を行おうとするものである。さらに予測されたフラィングデブリの飛散範囲ならびに他の建物の衝突した時のインパクトの評価を行い、都市域における飛散物を想定した時の危険度予測を行おうとするものである。得られた成果を以下に示す。 都市圏の風外乱に関するLES数理モデルの構築 近年、都市地表面を覆う凹凸を精緻に表すデータが充実してきており、地表を覆う建築物・植生まで区別して認識することも可能となっている。そういった状況を配慮し、LESに基づいた数理モデルの構築を行った。 都市域強風に関する風洞データとの比較による数理モデルの検証 地表の建築物・地物などを再現した都市域の実験データに基づき、ここで提案されている数理モデルの非定常性を含めた乱流構造の再現性を検証した。 都市域シミュレーション結果に基づく強風域・建物荷重特性のまとめ 都市における地表被覆状況を再現したシミュレーション結果に基づき、市街地での強風域を明らかにし、また個々の建築物に作用する風圧力および風力など性状を整理した。 強風ガストおよび建物局部負圧に基づくデブリ発生の推定 シミュレーション結果から得られた強風および建物に作用する風圧力のデータを詳細に吟味し、強承ガストおよび建物の局部負圧の特性から、デブリ発生の可能性を推定した。
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