研究分担者 |
佐藤 立美 広島工業大学, 工学部, 教授 (00087975)
山本 春行 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助教授 (60158293)
菅野 俊介 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10325144)
稲田 裕司 米子工業高等専門学校, 建築学科, 助教授 (00249830)
福原 安洋 呉工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (10043811)
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研究概要 |
近年相次いで発生した地震において,多くの強振動記録が得られ,数箇所では高レベルの加速度も観測されたにもかかわらず,建物被害はそれほど大きくない。また,被害累計においても同程度の震度を想定する地震被害想定調査報告の結果とも大きくかけ離れたものといわざるを得ない。地盤の振動性状が稠密な観測体制によって次第に明らかになりつつある現状で,建物が受けたであろう地震入力に基づいた耐震性能評価を行なうとともに,これまで得られた数少ない建物の応答観測データを検証し,現行の耐震性評価法の問題点を抽出することは来るべき地震による建物被害の軽減に向け,防災対策として急務であると考えられる。また,今後の耐震性能評価技術の発展には十分であると言い難い建物強震応答観測体制の整備は不可欠の課題である。そこで,本研究は対象建物を防災拠点となる鉄筋コンクリート造建物に絞り,平成12年の鳥取県西部地震と平成13年芸予地震における被害建物,無被害建物の応答性状を地盤振動に基づき,より詳細に分析し,耐震診断法や解析的計算法などの耐震性評価法の問題点を抽出すること,および建物の強震観測点を増やし,地震動入力によって建物が弾性状態から損傷してゆく時刻歴応答データを公開可能な研究資料として蓄積することを目的とする。その目的の達成に向け,本年度は以下の項目を実施した。 1.都市エリアを対象とした高精度の建物危険度算定手法の提示を目指し,呉市を対象として文教鉄筋コンクリート造建物の耐震診断結果と芸予地震における建物被害との関連性を検討した。 2.同市内の呉工業高等専門学校建築学科棟に強震記録計を設置し,地震時の応答観測を開始した。 3.現行の耐震性能評価法検証の一環として,被災建物のコンクリート強度および部材のせん断破壊による水平耐力低下を考慮した非線形応答解析を行い,実被害との相関性を検証した。
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