研究課題/領域番号 |
15656138
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
村上 周三 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40013180)
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研究分担者 |
伊藤 一秀 東京工芸大学, 工学部, 講師 (20329220)
岸本 達也 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (30302532)
加藤 信介 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00142240)
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キーワード | 室内空気質 / 室内化学物質濃度 / 化学反応 / 数値解析 / オゾン / 吸着分解 / 吸着等温式 / 換気 |
研究概要 |
1.空気中での化学反応を組み込んだ室内化学物質濃度の数値解析 1.1 室内化学反応を簡易にモデリングし、生成される物質の室内濃度の事前予測を行った。ここではOzoneとTerpene類の室内化学反応を研究対象としている。 結果:反応物質と生成物質濃度の時間推移を比較した時、生成物質の濃度が反応物質を上回る。 1.2 さらにOzoneは、換気による移流・拡散、化学反応の他、固体壁面に対する吸着・分解現象を考慮する必要がある。そこで簡易なOzoneの固体壁面の沈着モデルを組み込み、Ozoneが自己減衰する可能性を考慮した解析を行った。 結果:Ozoneの自己減衰による室内化学物質濃度の低減は、化学反応量ならびに換気による除去量と比較して相対的に小さい。 2.材料表面におけるOzoneの吸着・分解速度に関する吸着等温式モデルと除去係数モデルとの比較 化学物質の室内濃度を正しく予測するためには、材料表面における吸脱着(シンク効果)等を考慮する必要がある。特にOzoneは吸着や分解により、生成物質の生成量への影響が大きいと考えられるため、材料表面における吸着速度を2つのモデルを用いて検討した。 (1)吸着等温式モデル(吸着等温式から得られる気相換算濃度で材料表面における汚染物質濃度を定義し、その表面濃度勾配と気中の分子拡散から吸着速度を求める)と、(2)除去係数モデル(材料表面で分子レベルでの吸着分解を考慮し、沈着速度を用いて吸着速度を求める)を用いて、両者を比較した。 結果:沈着速度と材料表面における汚染物質の気相換算濃度を適当に与えれば、(1)、(2)の両モデルは良い対応を示すが、Ozoneのように自己減衰する物質の材料表面における気相換算濃度は測定できない事から、実用的な簡易モデルとしては、(2)の除去係数モデルを用いるのが良い。
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