研究課題
地震火災による危険や、その時の市街地住民の避難性状については、種々の文献に体験談など記述があるが概して断片的で、市街地全体での避難性状については漠然としか分からない。過去の大火における都市住民避難性状を知ることは、将来の地震火災などに対する避難計画を立案する上で重要であるが、文献での情報は限られているので、火災延焼やその時の危険度の予測モデルおよび非難性状モデルなど現代的手法を用いて限定された情報を補う必要がある。これまで、市街地火災時の火災気流による危険度モデルおよび都市住民避難モデルを改善しながら用いて、酒田市大火(昭和51年)および函館大火(昭和9年)の避難性状を再現してきたが、酒田市大火については満足な結果が得られたものの函館大火については実際の死者と予測で10倍もの差があった。これは、函館大火のとき頻発した飛び火が危険度予測に十分反映されていないこと、および避難モデルが住民の避難経路認知度を無視しでいることにあると思われた。そこで、函館大火時の記録から飛び火の発生時刻を推定を試みたが、個々の飛び火の発生時刻についてはかなり幅の多きい推定しか可能でなかった。そこで、情報を補足するために気流解析と火の粉の飛散計算を組み込んだ飛び火の物理的モデルの構築について検討した。また、都市住民・訪問者の避難場所の認知度が避難性状に重要と考えられることから、京都市東山区を対象地区に選び都市内に存在する種々の標識の配置と視認性の程度について調査した。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (3件)
日本建築学会大会(北海道)学術講演梗概集 A-2
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