研究課題/領域番号 |
15656145
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
赤木 徹也 工学院大学, 工学部, 講師 (60338275)
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研究分担者 |
足立 啓 和歌山大学, システム工学部, 教授 (50140249)
野澤 康 工学院大学, 工学部, 助教授 (00251348)
安原 治機 工学院大学, 工学部, 教授 (10100380)
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キーワード | 駅型保育園 / 保育 / 園児 / 保育者 / 環境行動 / 遊び / 労働 / 見守り |
研究概要 |
1.実施概要 本年度は、(1)園児の生活環境、(2)保育者の労働環境、(3)立地特性、を検討するための調査を主に行った。調査内容は、主に3園の駅型保育園を対象とした非参与行動観察調査・施設関係者へのヒアリング調査・施設関係者と保護者へのアンケート調査などである。 2.実施結果 (1)園児の生活環境の検討 非参与行動観察調査と施設関係者へのヒアリング調査に基づき、園児の行動と環境との関係性を検討した結果、次のことが明らかになりつつある。 (1)園児の遊び行動の特性:運動能力を発揮する動的な遊びは、多目的室のような活動範囲が大きい空間ほど誘発されやすく、物を構成して遊ぶ等の静的な遊びは収納棚など極端に狭い空間で多く見られる。 (2)園児のコミュニケーションの特性:園児がコミュニケーションを取る対象は、その成長と伴に保育者中心から他の複数の園児との遊びや会話などへと変容する。この場合、多目的室などの開放的な共用空間は、他の複数の園児とのコミュニケーションを増加させる重要な要因になると考えられる。 (2)保育者の労働環境の検討 非参与行動観察調査と施設関係者へのヒアリング調査に基づき、保育者の行動と環境との関係性を検討した結果、次のことが明らかになりつつある。 保育者の業務の大半が保育室で行われ、保育者の休憩は他の業務と並行して園児の午睡中などに園児を見守る事が可能な保育室内の残余空間で行われる。よって、保育者の労働環境の質的向上を図るためには、より園児を見守り続けやすい場所に、休憩コーナー的な場所を確保する事が望ましいと考えられる。 (3)立地特性の検討 施設関係者と保護者へのアンケート調査に基づき、周辺環境整備の条件について検討した結果、次のことが明らかになりつつある。 歩道幅員の確保・自転車交通の制限・段差や勾配の解消・歩き煙草禁止区域の設定・散歩ルートの整備・駅ビル営業時間外での直通ルートの確保など、の必要性が考えられる。
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