平成15年度は、主に那覇近辺の公的機関に所蔵されている首里城絵図及び那覇絵図の悉皆的写真撮影を2度の出張に分けて行ない、滋賀大学経済学部資料館からは「首里那覇港図」のカラープリントを入手した。所蔵機関かすでにカラーポジフィルムを所蔵している場合は借り出してポジの複製を依頼した。絵図の画像収集の概況は以下の通り。 ■第1回出張:8月1日〜14日(那覇滞在) 8/4:沖縄県立博物館:「琉球王府首里那覇之図」ほか5点 8/5浦添市美術館:「琉球交易港図」1点 8/8:沖縄県立図書館:東恩納文庫「首里那覇図」ほか6点 同上:海洋博覧会記念公園管理財団にて首里城関連資料10点の撮影 8/11:琉球大学付属図書館:「女官御双紙」附属首里城絵図 8/13:沖縄県立芸術大学:鎌倉芳太郎収集資料30点 ■第2回出張:9月28日〜10月1日(那覇滞在) 9/29:那覇市文化部歴史資料室:「沖縄県首里旧城図」 同上:沖縄県立図書館:「旧首里城」 9/30:沖縄県公文書館:「旧首里城鳥瞰図」ほか1点 上記2回の那覇滞在時に、琉球近世画家の系譜についてと、写真収集した絵図についての既往研究の調査を同時並行して行なった。写真を収集した絵図は59点であった。 次年度は、1)民間所蔵の絵図の聞取り調査と、2)鹿児島以北の日本本土側の首里・那覇絵図所蔵状況の調査を行なう予定である。絵図についての既往研究の調査も続行し、首里城絵図形式の確立過程とその研究状況を把握する予定。
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