研究課題/領域番号 |
15656165
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
住田 雅夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30016654)
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研究分担者 |
淺井 茂雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (80212463)
富永 洋一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30323786)
四井 光 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 研究員
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キーワード | ダイラタント材料 / 高分子ハイブリッド / 塩素化ポリエチレン / 低周波吸収 / 有機低分子 / ひずみ振幅 / 微結晶 / 損失せん断性 |
研究概要 |
本研究の主要な目標である、せん断応力場で粘度上昇を示すダイラタント材料構成について、2種類の高分子ハイブリッド系を明らかにすることが出来た。(1)CPE/DBS/KB系高分子ハイブリッドと(2)ACR/TMBP/KB系高分子ハイブリッドである。この中でCPE(塩素化ポリエチレン)とACR(アクリルゴム)は高分子母体であり、DBS(N,N'ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)とTMBP(4,4'-チオ-ビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)は有機低分子添加剤である。KB(ケッチェンブラック)はVGCF(気相成長炭素繊維)と同様にハイブリッドマトリックス内でネットワーク構造を形成する。このような3成分系の有機ハイブリッドの微少ひずみ域における粘弾性損失特性のひずみ依存性について把握するため高分子溶融体や溶液のレオロジー評価に供される平行平板型レオメーターを用いることで10^<-5>〜10^<-3>オーダーのひずみ域における固体動的粘弾性測定を行いひずみ振幅依存性について検討した。その結果、ひずみ振幅が小さいほど損失せん断弾性率が大きくなるという、特異な非線形粘弾性を見いだした。CPE/DBS/KBおよびACR/TMBP/KBはいずれもKB又はVGCFの添加で高い制振性能を発現すること、有機低分子の充填量によってT_gを広範囲に変化できることがわかった。この両タイプの有機ハイブリッドはT_g以下の温度で極微少ひずみ域において、ひずみ振幅の減少とともに損失せん断弾性率の増加が観測され、新規な音響材料としての可能性が高いことがわかった。また、極低周波の吸音についてはCPE/DBS/KBにおいて形成される低融点で微少・粗雑な結晶の関与が明確になった。
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