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2005 年度 実績報告書

ナノ磁性粒子鎖生成機構の解明と生物融合ナノ磁性素子創製への展開

研究課題

研究課題/領域番号 15656166
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

岩佐 達郎  室蘭工業大学, 工学部, 教授 (00133926)

研究分担者 酒井 彰  室蘭工業大学, 工学部, 教授 (70136422)
キーワードナノ材料 / 生体材料 / 応用微生物 / 磁性粒子 / バイオテクノロジー / ナノバイオ / ラマン分光
研究概要

我々のこれまでの研究から、マグネトソームには強磁性を示すFe_3O_4の他に、常磁性成分が混在することが明らかになった。また、ラマンスペクトル測定により帰属不明のピークが740cm^<-1>に見い出された。そこで、以下の二つの問題について検討した。
1.これらの成分の局在:Fe_3O_4結晶に局在するか、脂質二重層内に局在するか
2.740cm^<-1>のラマンピークと常磁性の磁化曲線は同じひとつの物質に由来するのか?
これらを検討するために、マグネトソーム分画をSDS溶液で洗浄し、Fe_3O_4粒子を磁石で回収して、ラマンスペクトルを計測した。その結果、SDS洗浄の有無に関わらず、Fe_3O_4に由来する約640cm^<-1>のピークが観察された。一方、740cm^<-1>のピークは、SDS洗浄濃度0.5%の試料では観察されたが、洗浄SDSの濃度を1%にすると消失した。また1%SDS洗浄試料の磁化曲線には常磁性を示す勾配は観察されなかった。1%SDS洗浄でも約25%タンパク質が残存していることがわかったので、常磁性成分はマグネトソーム膜の脂質2重層内に埋没していて、非常に微細なため(超)常磁性を示すのではないかと考えている。
現在提案されているマグネトソームの生合成経路は大きく3つにわけることが出来る。1.鉄イオンから直接生成される。2.γ-FeOOH→緑さび→Fe_3O_4 しかし、これまで我々の得た結果はこれらのモデルを支持しない。すると、3.低密度Fe3+酸化物→フェリハイドライト→Fe_3O_4という経路が考えられ、常磁性成分は低密度Fe^<3+>酸化物ないしフェリハイドライトであることになる。フェリハイドライトとFe^<2+>からFe_3O_4が生成する反応はpH9〜10のアルカリ溶液中で進行する。そこで、現在我々は以下の様なマグネトソーム生合成経路を考えている。
1.膜小胞が形成される。小胞内部は、何らかの機構によりpH9〜10に維持されている。
2.細胞内に取り込まれたFe^<2+>のうち、一部が亜硝酸還元と共役してFe^<3+>に酸化される。
3.Fe^<3+>からフェリハイドライトが生成され、小胞内でFe^<2+>と反応してFe_3O_4が合成される。
今後このモデルが妥当かどうかを検討して行く必要がある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Ultrastructure and localization of a visual Gq protein in hypertrophied epitoke ocelli of Perinereis brevicirris (Polychaeta).2005

    • 著者名/発表者名
      Shimazaki, Yumiko
    • 雑誌名

      Cell Tissue Research 320

      ページ: 345-354

  • [雑誌論文] Raman-Scattering Study of Antiferroelectric Phase Transition in Cu(HCOO)_2・4H_2O2005

    • 著者名/発表者名
      Mizushima, Takuya
    • 雑誌名

      Journal of the Korean Physical Society 46・1

      ページ: 202-204

  • [雑誌論文] Glycerin effect on the photochemical reaction of pharaonis phoborhodopsin.2005

    • 著者名/発表者名
      Iwasa, Tatsuo
    • 雑誌名

      生物物理 45・S

      ページ: S98

  • [雑誌論文] Expression analysis of signal-transducing proteins in the newtolfactory epithelium.2005

    • 著者名/発表者名
      Takashima, Masataka
    • 雑誌名

      生物物理 45・S

      ページ: S90

  • [図書] 生物薬化学実験講座7,「情報伝達物質I受容体」;Gタンパク質共役受容体(1)ロドプシン2005

    • 著者名/発表者名
      岩佐 達郎
    • 総ページ数
      13
    • 出版者
      廣川書店

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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