研究概要 |
グリム型グロー放電管を試作し、今回の科研費により高圧電源、ガス配管、真空計などを購入した。これにより、グロー放電プラズマを利用した分析が可能となった。本年度は、グロー放電プラズマ中で生じるカソードスパッタリングを利用した薄膜作製に関しての実験を行った。つまり、全反射蛍光X線分析法では試料を平坦基板上に捕集する必要があるが、グロー放電プラズマ中のスパッタリングにより金属試料を原子化し、基板上に薄膜化としてサンプリングするシステムを開発した。放電条件(放電電圧、電流、ガス圧など)や試料(金属)にもよるが、数分程度の放電により平坦な薄膜試料が得られた。表面の凹凸は走査トンネル顕微鏡により直接観察した。その結果、数10nmの凹凸であることが分かった。このようにして作製した試料を全反射蛍光X線分析装置で測定し、十分な分析が可能となることが確認された。この研究成果はTXRF2003国際会議でポスター発表した。 Y.Matsuoka, M.Nakata, K.Tsuji,"Development of directly sampling method of solid materials for total-reflection x-ray fluorescence",10th Conference on Total Reflection X-Ray Fluorescence Analysis and Related Methods (TXRF2003),Awaji, Japan,14-19,Sep.,2003(poster). 現在、発光分析用のシステムの立ち上げ、および、微小放電管の試作などを行っている。
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