研究課題/領域番号 |
15656179
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山中 一司 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00292227)
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研究分担者 |
三原 毅 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20174112)
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キーワード | 超音波原子間力顕微鏡 / 圧電材料 / ドメイン / ピエゾモード / 原子間力顕微鏡 / PZT / カンチレバー / 直接圧電顕微鏡 |
研究概要 |
1.超音波原子間力顕微鏡による圧電材料のドメインと結晶粒の解析 PZTなどの圧電材料およびその薄膜を用いて高機能デバイスを実現する際の基礎的設計資料として、導電性探針と試料下部の電極により電界を印加し、圧電逆効果により試料に誘起される振動をカンチレバーで検出する圧電応答顕微鏡を用いて、強誘電ドメインの構造を調べ、同一視野について超音波原子間力顕微鏡により映像化する結晶の弾性との対応を調べた。その結果、圧電応答顕微鏡における振幅と位相像から、180度ドメイン境界と判定されたドメイン境界の接触弾性は、ドメイン内部より3〜5%低いという興味深い知見を得た。 2.超音波誘起電流(Ultrasonic Piezo Current ; UPC)計測系および超音波原子間力顕微鏡用カンチレバーホルダの開発 圧電応答顕微鏡の空間分解能は、長距離力であるクーロン力場の広がりによって決定されるため100nm以下の分解能は困難であり、最近強誘電メモリの分野で注目されているナノドメイン記録プロセスの評価には適用できない。そこで圧電薄膜に超音波振動子用いて振動を励起し、短距離力である弾性応力による膜の変形により圧電的に励起される変位電流を導電性探針を用いて検出し、空間分解能の向上を図る直接圧電顕微鏡(Direct Piezoelectric Microscope DPM)を考案した。また、超音波原子間力顕微鏡において、計測精度を低下させるスプリアス応答がカンチレバーベース部のたわみ共振によることを見出し、ベース部全体の振動を抑制できるホルダを試作し、カンチレバー共振スペクトルが著しく高精度化できることを確認した。
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