研究課題/領域番号 |
15656182
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
友田 陽 茨城大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90007782)
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研究分担者 |
鈴木 徹也 茨城大学, 工学部, 講師 (70261740)
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キーワード | 残留応力測定 / 中性子回折 / 主軸と主応力 / 物体内部 / 角度分散法 / 飛行時間法 / 焼入れ残留応力 / 非破壊検査 |
研究概要 |
(1)測定原理の検討、(2)実験に必要な附属装置の考案、(3)測定条件の検討、および(4)測定結果の解析方法の開発を目的として研究した。中性子応力測定法で測定されるのは「弾性ひずみ」である。ひずみには6つの成分があるが、通常は主軸方向を推定して3方向(もしくは軸対称を仮定して2方向)の測定を行なっている。それでは一般性に欠けるので、6つのひずみ成分をきちんと測定することが望ましい。応力主軸が自明である試料として、高周波焼き入れしたS45CおよびSCM440鋼丸棒(応力分布がなだらかになるように深めに焼きを入れた)を用意した。簡便法であるX線応力測定法を用いて逐次表面を研磨しながらsin^2φ法で表面2方向の応力を測定し(非破壊法ではない)、単純形状であるので解析解を利用して半径方向の応力を推算し3次元応力状態の表面から内部にかけての分布を明らかにした。同じ試料を用いて中性子回折角度分散法(原研のRESAを使用)により非破壊的に内部の弾性ひずみを主軸3方向から測定し応力に換算した。この時の応力フリー基準面間隔は試料を細かく切断して組織依存性を含めて実測した。その結果、破壊的手法であるX線2次元測定から推定した内部の応力状態と中性子で直接測定した応力は良い一致を示すことがわかった。続いて角度分散法により7つ以上の方向から測定して、主軸および応力フリー面間隔も未知変数とすることが可能か否か、検討した。多元一次連立方程式を解き、主軸の方向と主応力の大きさを決定する手法を考え合理的な測定手順を検討した。一方、飛行時間法中性子回折法では、高エネルギー加速器研究機構のVEGAに合計3方向の回折中性子検出バンクがあり、そこから6点以上を選んで検討を加えた。検討結果は、現在建設中の大強度陽子加速器施設に提案中の残留応力測定装置設計(飛行時間法)に反映させた。この方法では、多くの回折ピークを同時に測定できるので、回折弾性係数の相違を利用して応力フリーの試料なしに解析することが原理上は可能であり、今後、実証・検討を進めたい。
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