研究課題/領域番号 |
15656191
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野平 俊之 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (00303876)
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研究分担者 |
雨澤 浩史 京都大学, 人間・環境学研究科, 助手 (90263136)
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キーワード | 溶融塩 / シリコン製造 / シリカ / 電解還元 / 塩化カルシウム / 単結晶シリコン / 太陽電池 / 透過型電子顕微鏡 |
研究概要 |
平成15年度は、まず、SiO_2電解還元反応の電位について検討した。溶融CaCl_2(約900℃)中において、SiO_2板にMoワイヤーを巻きつけて作成した「SiO_2接触型電極」を用いて、サイクリックボルタンメトリーを行ったところ、1.3V(vs.Ca^<2+>/Ca)よりも卑な電位領域で還元電流が観測された。この結果をもとに、0.35-1.30Vで定電位電解を行い、分析を行ったところ、1.25V以下においてSiの生成が確認された。また、電解電位が卑であるほどSiO_2の還元速度は大きく、0.70Vでは、厚さ1mmのSiO_2板が1時間の電解により完全にSiへ還元されることが明らかになった。次に、SiO_2電解還元のメカニズムについて検討を行った。電解還元させた試料を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、生成Siが直径数〜数十μm、長さ数十〜数百μmの六角柱状であることが分かった。さらに、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察および電子線回折(ED)により、それぞれの柱状Siは双晶面を多く含む単結晶であり、成長方向が<111>方向であることが明らかとなった。従って、反応界面においてSiO_2から酸素がO^<2->イオンとして除去され、残されたSi原子がごく短期間のアモルファス状態を経て再結晶化するというメカニズムが示唆された。最後に、生成した柱状Siを高周波加熱溶解により塊状Siとし、電子プローブ微小分析(EPMA)により分析した結果、不純物は全て検出限界以下であり、Si純度が99.9%以上であることが示された。
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