本年度は、窒素含有コーディエライトガラスから窒素含有α-コーディエライト液晶単相を得るための熱処理条件を確立するとともに、窒素含有α-コーディエライト結晶の粉末を焼結して作製した窒素含有コーディエライトセラミックスの物性値の測定を行った。 窒素を1.47mass%含有するコーディエライトセラミックスのヤング率および曲げ強度は、それぞれ153.0(GPa)および0.23(GPa)であり、窒素を含有しないコーディエライトセラミックスのそれらと同程度であり、窒素の導入による向上は認められなかった。しかし、1.47mass%窒素含有コーディエライトセラミックスのビッカーズ硬度は8.65(GPa)であり、窒素を導入することにより0.50(GPa)の向上が認められた。また、熱膨張係数は-0.27〜0.32×10^<-6>であり、窒素を含有しないコーディエライトセラミックスのそれと同程度の低熱膨張を維持していた。 コーディエライトセラミックス中での窒素の存在形態は今のところ不明であるが、コーディエライトセラミックス中にさらに多量の窒素を導入することにより、機械的強度(ヤング率および曲げ強度)の向上が期待できる。
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