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2003 年度 実績報告書

層状化合物を前駆体とする複合酸化物触媒合成法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15656205
研究機関名古屋大学

研究代表者

薩摩 篤  名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (00215758)

研究分担者 吉田 寿雄  名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 助教授 (80273267)
服部 忠  名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50023172)
キーワード触媒調製 / 層状化合物 / インターカレージョン / 選択酸化 / リン酸バナジウム / 助触媒 / 複合化触媒 / ナノ空間
研究概要

層状化合物を前駆体とする新規触媒合成法の開発と確立を目的として、(1)層状リン酸バナジウム化合物を前駆体とし、(2)van der Waals力により弱く結合した層間に第3成分としての金属錯体を均一に導入し、(3)焼成により有機分子を抜き取る、という各段階における最適化と機構論の解明を行った。平成15年度は、Fe(acac)_3錯体のVP層状化合物の層間修飾を経由する調製法について検討した。,アルコールを層間化合物とするvanadyl benzylphosphateまたはvanadyl alkylphosphateとFe(acac)_3をトルエン溶媒中で加熱撹拌した。XRD,IR,UV-Vis,電子顕微鏡,EDX,XPSによりキャラクタリゼーションを行ったところ、Fe(acac)_3が、VP層状化合物の持つナノ層間に均一に導入されたことが確かめられた。また、Feの導入量は層間アルコールの種類に依存した.前駆体中の有機物をブタン/O_2/N_2流通下,733Kで除去しFeと複合化した(VO)_2P_2O_7相を得た。
高ロード条件(5%)でのブタン酸化反応により触媒性能を従来法と比較した。従来法(含浸法)でFeを添加した場合はブタン転化率が増加するが,MA選択率は逆に減少した.これは表面に偏析した鉄由来のサイト上で非選択的な酸化のみが促進されたためである。一方,層間修飾法により調製した触媒では、ブタン転化率,MA選択率が共に向上し、表面積あたりのMA生成速度は従来法の2倍以上に向上した。また,層間修飾触媒におけるMA生成速度の違いはバルクの鉄組成の違いによることが明らかとなった。触媒性能向上には(VO)_2P2O_7内部への均一な助触媒の導入が重要であり,これを制御するために本法が有効な手段であることがわかった.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.Kamiya, Y.Kijima, T.Ohkura, A.Satsuma, T.Hattori: "Selective oxidation of n-butane over iron doped vanadyl pyrophosphate prepared by- intercalation of iron acetylacetonato complex to lamellar vanadyl n-hexylphosphate"Appl.Catal.A. 253. 1-13 (2003)

  • [文献書誌] 薩摩篤, 大倉拓也, 木島由貴, 駒井慎一, 神谷裕一, 西川瑛一郎, 服部忠: "層状化合物を前駆体とするFe添加ピロリン酸バナジル触媒の調製"触媒. 477-479 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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