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2003 年度 実績報告書

海氷成長における溶存メタン濃縮過程および排出過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15656224
研究機関北見工業大学

研究代表者

大橋 鉄也  北見工業大学, 工学部, 教授 (80312445)

研究分担者 遠藤 登  北見工業大学, 工学部, 助手 (20232994)
キーワードメタンハイドレード / 海氷 / オホーツク海 / 氷の微視構造 / 溶存メタン / 数値シミュレーション / 結晶成長 / メタン濃縮
研究概要

実験室で人工的に海氷を生成することができる水槽を作成し,海表面空気温度-20℃の環境下において海氷を生成した.海水中の溶存メタン濃度は、メタンガスをバブリングして調整した.このようにして作成した海氷を薄片化する装置を作成し,海氷の微視構造の顕微鏡観察を行った.さらに海氷の微視組織の成長を数値シミュレーションによって再現するために,その基本となる計算アルゴリズムを構築し,水平断面および垂直断面の2通りの場合について結晶成長のシミュレーションを行った.
その結果,人工海氷の作成では自然海氷の生成条件をほぼ模擬する1次元的な温度勾配を実現することが出来,観察された微視構造も自然海氷のそれにほぼ一致した.微視構造の顕微鏡観察の結果,海氷では結晶粒界に小さな凹凸ができることや,結晶粒内に小円状の気泡や未凍結領域が出来,それらが整列する現象などが観察された.これらの気泡・未凍結領域には溶存メタンが濃縮されていると考えれるので,気泡・未凍結領域の空間的な分布をコンピュータ画像処理によって分析したところ,これらの領域は必ずしも球形ではなく,一部は垂直方向に細長く伸びたチャンネル状であることが示唆された.数値シミュレーションでは,海氷面近くに結晶核を優先的に発生させると,それらが成長することによって海表面近くでは結晶粒径が小さく,粒のアスペクト比も1に近いcongelation iceが,またその下には深さ方向に長く伸びた短冊氷が形成され,実験的に観察される微視構造をほぼ再現する結果が得られた.また,結晶の成長速度に結晶構造を反映した異方性特性を与えると結晶粒界に小さな凹凸ができた.人工海氷で観察された結晶粒界の凹凸は,結晶の成長速度の異方性が少なくともその一因になることがわかった.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] T.Ohashi, M.Sasaki, K.Yoshimura: "A numerical simulation of the development of ice-microstructures"Proc.19^<th> International Symposium on Okhotsk Sea and Sea Ice. 180 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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