研究課題
将来、鉱山における環境対策が地域問題の域を越えてグローバルな枠組みの中での対応に迫られることは、もはや時間の問題であり、共通認識に至る基盤の整備が必要である。しかしながら、各国の資源開発現場における環境対策に関する規制や費用負担は国ごとに異なっており、国際的に共通のコンセンサスがないのが現状である。これまでに先進工業国の鉱山と開発途上国の鉱山について、精度の高い客観的な比較調査は行われていないが、一般的な傾向として、先進工業国の鉱山は開発途上国の鉱山に比べて、環境対策コストの負担が相対的に大きくなっていると推察される。現在、先進工業国の鉱山が開発途上国の鉱山に比べて、価格競争力で劣勢にあるのは、確かに、賃金格差などの要因も少なくはないが、このような環境対策コストの相違も見逃すことはできない。こういった状況が続く限り、たとえば銅のケースではチリやインドネシアなどの鉱山の寡占化が進むことは必至であり、価格操縦が可能となれば、鉱物の供給に大きな支障が生じることは避けられない。さらにこのような環壌対策の格差から生じる価格格差の拡大は、開発途上国の環境がより破壊され、汚染物質をグローバルな規模で排出することを意味する。本研究は、このような着想から主として環境対策といった視点から、IPCCのSRESシナリオに基づいた銅の需給解析を行った。また、フィールド調査としては、グルジアのマドネウリ銅鉱山やアラベルディー銅製錬所などを調査し、トルコにおける鉱山排水の実態なども調査した。さらに、景観や防塵などの環境問題に配慮しながら、効率的な品位調整を実現する採掘管理手法として、遺伝的アルゴリズムによる最適な採掘順序の探索アルゴリズムを考案した。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (3件)
資源と素材 Vol120, No.12
ページ: 681-686
資源と素材 Vol.120, No.9
ページ: 535-538
Forth International Conference on Engineering Computational Technology, Lisbon
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