研究課題/領域番号 |
15656233
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
長 照二 筑波大学, 物理学系, 教授 (80171958)
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研究分担者 |
中嶋 洋輔 筑波大学, プラズマ研究センター・物理学系, 助教授 (00188939)
平田 真史 筑波大学, プラズマ研究センター・物理学系, 講師 (70222247)
小波蔵 純子 筑波大学, プラズマ研究センター・物理学系, 講師 (60302345)
前沢 秀樹 高エネルギー加速器研究機構, 放射光実験施設, 教授 (40150015)
吉田 麻衣子 日本学術振興会(筑波大学・物理学研究科), 特別研究員
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キーワード | 電子温度 / イオン温度 / 同時弁別計測 / 半導体検出器 / 空乏層 / 不感層 / マトリックス型検出器 / 核融合反応生成粒子 |
研究概要 |
プラズマ核融合研究に於いて、核融合反応生成粒子を計測し、核反応発生位置の計測・同定はもとより、生成粒子のエネルギー・スローイングダウン等による電子温度・イオン温度の空間・時間変化を、核融合反応生成粒子と共に同時弁別計測ができれば、核反応プラズマ内部の輸送や安定性を含む振る舞いを解明する、重要なデータが得られる。従来、核融合反応生成粒子計測には、SSB検出器等の他の目的で開発された最適化されていない計測器を流用する手法が用いられてきた。 本研究では先ず「電子・イオン温度同時計測」を行うために、マトリックス型半導体検出器の横方向の各列毎に、異なる不感層(SiO2)厚を成膜し、この表面酸化層を極薄い「X線と荷電交換中性粒子(CX)エネルギー吸収弁別用薄膜」と発想を転換し利用した。これを、従来の独立したアルミやポリマー薄膜吸収体では破れる等で自立しなかった薄さまで正確に成膜し、CXとX線の物質との相互作用の違いにより生じる減衰曲線の差異を評価し、検出器の横列の表面層厚の最適化を行った。特に、薄い成膜列(200nm以下でX線を弁別可)を数列作成しCX計測(Ti計測)に、一方厚い成膜列(800nm以上)を作成しX線計測(Te計測)用とした。この時マトリックス検出器の縦列(一様な厚さの不感層厚を成膜)は、プラズマ半径方向に向けて設置し、トモグラフィー変換を用い、X線・CXの半径分布を求める。核融合反応生成粒子計測には、その粒子エネルギーが揃っている特徴を用い、半導体への進入長がほぼ一定である点を利用する。即ち、核融合生成粒子吸収位置は粒子種で決まり、その吸収位置に(吸収位置の拡がりの素過程データ幅分の厚さをもつ)半導体感度層である空乏層を配置する様に、検出器内のエネルギー吸収分布を計算し、粒子エネルギーに応じた空乏層配位を決定した。
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