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2004 年度 実績報告書

クロロフィラーゼの新規機能,植物の病害防御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15657009
研究機関東京工業大学

研究代表者

高宮 建一郎  東京工業大学, 生命理工学研究科, 教授 (80037259)

キーワードクロロフィラーゼ / クロロフィル / クロロフィリド / ジャスモン酸 / シロイヌナズナ
研究概要

本年度はシロイヌナズナのクロロフィラーゼ遺伝子の過剰発現株と破壊株の表現型、酵素活性、クロロフィルの定量を行った。また、ジャスモン酸投与によるクロロフィル含量の影響をしらべた。
その結果、クロロフィラーゼ1(CLH1),クロロフィラーゼ2(CLH2)、ともに安定な第3世代のセンスおよびアンチセンスの形質転換体が得られた。しかし、表現型に大きな差は無く、わずかにCLH2のアンチセンス株が花芽の形成が野生株および他の形質転換体と比べて早い程度であった。ロゼット葉タンパクあたりの活性はセンス株では野生株の5〜10倍であったが、CLH2のアンチセンス株では活性は低下しなかった(CLH1では野生株の5分の1)。このように活性の差があるにもかかわらず、成葉単位重量あたりのクロロフィル含量は変化が無かった。
さらに、野生株および形質転換体の切除したロゼット葉を暗所に置き、記事的にクロロフィルの含量をHPLC測定した(北大田中先生、東大増田先生との共同研究)ところ、クロロフィルa, bの含量はどの株についても3日までは単調かつ同様に減少した。さらに、ジャスモン酸を処理した葉で同様な実験を行ったところ、野生型との差が見られなかった。この段階でクロロフィラーゼの機能と病害応答との関連の実験を一時中断した。つまり、活性の違いはかなりあるにもかかわらず表現型、クロロフィル含量、およびジャスモン酸処理に差が無い事実は、クロロフィラーゼの反応が生体では律速段階ではないか、あるいはクロロフィラーゼはクロロフィルの代謝とは直接関係していない可能性がある。現段階では二重破壊株が得られていないのでお互いに機能的に相補する可能性を除外できないが、ごく最近のKariolaらの報告は後者の場合を示している。
本萌芽研究では初期の目的を達することは出来なかったが、得られたネガティブな結果からクロロフィラーゼの別の生理機能の存在を示唆するように思われる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2003

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Chlorophyllase as a serine hydrolase : Identification of a putative catalytic triad.2003

    • 著者名/発表者名
      Tsuchiya, T., Takamiya, K.
    • 雑誌名

      Plant & Cell Physiology 44(1)

      ページ: 96-101

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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