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2005 年度 実績報告書

暗期特異的遺伝子を用いた花芽誘導過程の分子的機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15657013
研究機関大阪市立大学

研究代表者

樽井 裕  大阪市立大学, 大学院理学研究科, 講師 (00236770)

キーワードアサガオ / 花芽誘導 / 花芽形成 / SSH法 / 暗期特異的 / 遺伝子発現
研究概要

高等植物の花芽形成過程の分子メカニズムを解明するため、花芽誘導時、および花芽形成初期に発現する遺伝子群をSuppressive Subtraction Hybridization法(SSH法)で単離同定し、その働きを調べることを目指した。暗期特異的に子葉中で発現する、ヒートショックタンパク質と相同性の高いPNJ1を過剰発現するトランスジェニック植物PNJ1oxと、そのオルトログであるAJ11遺伝子のRNAiコンストラクトを発現する形質転換アラビドプシス植物AJ11iを作出し、花芽形成に対する光周期の影響を調べた。長日条件(L:D=16:8)では、PNJ1oxはコントロールに比べて花芽形成が遅く、また花芽形成時に生じた葉数も多かった。一方、AJ11iはコントロールと有意な差が見られなかった。短日条件では、いずれも開花までに90日以上を要し、遺伝子導入の効果は見られなかった。しかし、低光量条件下でPNJ1oxはコントロールに比べて成長が早く、この遺伝子が光合成産物の可動化を介して成長へ分配することに関わることが示唆された。また、短日条件を与えた茎頂分裂組織に特異的に発現する遺伝子1-396の全配列をゲノムライブラリーから単離し、その全配列を解析した。その結果、この遺伝子はグリコール酸オキシダーゼをコードすることがわかった。栄養成長している茎頂分裂組織では、花芽形成に発生運命が転換するとき、多くの器官が光合成を停止するが、その際に光エネルギー供給が炭酸固定による消費を上回るとフリーラジカルが生成する危険性がある。グリコール酸オキシダーゼは、光呼吸を促進して不必要な光エネルギーを消去することによって、フリーラジカルによる生殖器官の劣化を防ぐために発現が促進されるものと考えられる。現在、この遺伝子のRNAiアラビドプシス植物を作製中である。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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