研究課題/領域番号 |
15657053
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
津田 玲生 独立行政法人理化学研究所, 形態形成シグナル研究グループ, 研究員 (30333355)
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研究分担者 |
林 茂生 独立行政法人理化学研究所, 形態形成シグナル研究グループ, グループディレクター (60183092)
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キーワード | EGFシグナル / Notchシグナル / 転写コリプレッサー複合体 / ebi / TBL1 / 感覚器 / 神経発生 / シグナル伝達 / ショウジョウバエ |
研究概要 |
ショウジョウバエ上皮増殖因子受容体(Egfr)シグナルは光受容細胞の発生過程に必須なシグナルで、細胞分化ばかりではなく増殖や生存を制御している。分子レベルでEGFシグナルの機能を解析するため、EGFシグナル伝達の下流で働くebi/SMRTER/Su(H)転写コリプレッサー複合体の機能解析を行い、標的因子としてC2H2型のZnフィンガー蛋白質をコードするtacoを同定した。光受容細胞の発生過程でtacoは未分化な光受容細胞前駆細胞で一過的に発現し、最終分化した細胞では発現が抑制されていた。そこで、tacoの発現を制御する因子を遺伝的に検討したところ、tacoの発現はBMP4ファミリーであるdecapentapledgic(dpp)シグナルの減少により消失し、逆に活性化によって誘導されることがあきらかになった。このことから、tacoの発現はdppシグナルにより正に制御されていることが強く示唆された。この結果を確かめるため、tacoの転写開始点近傍の配列を調べたところ、dppシグナルの下流で働く転写因子Mathers against dpp(MAD)の結合サイトが複数みいだされた。培養細胞を使ったレポーター解析からtacoのMAD認識配列はdppシグナルに応答して活性化されることが確認された。この結果からdppシグナルによるtaCOの活性化は直接であることがあきらかになった。最終分化した細胞におけるtacoの発現抑制メカニズムとしてtacoの転写開始点近傍に存在する複数のSupressor of Hairless [Su(H)]サイトに注目しており、ebi/SMRTER/Su(H)の標的になっている可能性について検討を行っている。
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