研究課題/領域番号 |
15657062
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研究機関 | 文化女子大学 |
研究代表者 |
高木 陽子 文化女子大学, 造学部, 助教授 (60307999)
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研究分担者 |
佐藤 方彦 長崎短期大学, 教授 (10038937)
原田 一 東北工業大学, 工学部, 教授 (70156511)
前田 享史 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90301407)
松本 憲子 文化女子大学, 造学部, 教授
今野 尚子 文化女子大学, 造学部, 助教授 (70318591)
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キーワード | グローバル化 / 日本 / ドイツ / 生理人類学デザイン / 機能的潜在性 / 快適性 / 使いやすさ / 感覚 |
研究概要 |
1、研究の目的: グローバリゼーションと同時にローカリゼーションが進行している現代において、生理人類学の方法論には、どの程度国際的スタンダードが存在するのであろうか。本研究は、生理人類学デザインの評価の国際比較をとおして、標準化の現状を考察するものである。 2、研究の手法: (1)資料:日本とドイツにおけるPAデザインの評価の比較を行う。日本側資料として、PAデザイン賞の過去の受賞作品の申請書類・研究論文を分析した。ドイツ側資料には、過去の国際生理人類学会議におけるドイツの研究発表資料を用いた。 (2)比較の観点:快適性、使いやすさ、感覚、美、の4視点を分担して比較考察した。 3、研究の成果: 両国とも、快適性、使いやすさ、感覚を重要な指標としていた。しかし日本では高次神経系や自律神経系の活動状況による評価が一般的なのに対して、ドイツでは主観的評価や動的人体計測が主流であるという評価方法の相違点がある。日本ではまた、生理的多型性や機能的潜在性の視点が導入されていた。美的評価については、両国とも指標としてほとんど取り上げられていない。美しい製品や道具を使う喜びは人類の典型的な反応であろう。美的感覚が肉体と精神の生理になんらかの影響を及ぼすのであれば、美的感覚を評価するシステムを開発することが生理人類学の今後の課題であろう。 2004年9月1日-5日に開催された国際生理人類学会会議(アメリカ合衆国、オハイオ、コロンバス)で以上の論旨の論文発表をおこなった。論文は、J Physiol Anthropol Appl Human Sciに投稿中である。
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