研究概要 |
前年度までの予備実験による成果を踏まえて、キク科の植物に焦点を当てて、プロピレン産生能を調査した。その結果、アキノキリンソウ属のセイタカアワダチソウの葉で認められた。これで、ハルジオン等同じキク科でありながら、異属の植物がプロピレンを産生することが判明し、他のアキノキリンソウ属植物(秋の開花期頃でないと判別しにくい)でのプロピレン探索とともに、キク科の他の属での存在をさらに検討する必要が出てきた。 ハルジオンが米国原産であることを踏まえ、米国北西部州で野生するハルジオンの現地調査を行った。開花成熟が4月下旬である本植物の調査時期が7月下旬となったために、レーニエ山、フット山、及びワシントン州東南部高原地帯を中心に探索したが、今年は果たせなかった。セイタカアワダチソウ等のキク科食物の種子は若干採取した。 ハルジオン(双子葉植物の一つ)がプロピレン産生能を保有する意義を明らかにする一環として、オーキシン感受性を調べた。双子葉植物は、単子葉植物と異なり、オーキシン、特に2,4-D等の合成オーキシンに対する感受性が高く、その外生投与で枯死する。今回、1mMの2,4-Dを投与したところ、同じ双子葉のダイズに比べて枯死までの期間が長かった。これについては、今後とも追試し、検討する。
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