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2003 年度 実績報告書

水田雑草における除草剤抵抗性個体出現頻度の推定

研究課題

研究課題/領域番号 15658008
研究機関独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構

研究代表者

内野 彰  独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 東北農業研究センター・水田利用部, 主任研究官 (20355316)

研究分担者 芝池 博幸  独立行政法人農業環境技術研究所, 主任官教官 (70354058)
キーワード除草剤抵抗性 / アセト乳酸合成酵素 / スルホニルウレア / 水田雑草 / イヌホタルイ / アゼナ / アゼトウガラシ
研究概要

イヌホタルイおよびアゼトウガラシ属水田雑草の集団の収集の収集について,公立農業研究機関を中心に土壌又は植物体の送付を依頼し,秋田県と岩手県では,実際に6月〜7月にかけて雑草発生の多い水田を中心に土壌及び植物体を採取した。その結果,全国7県から送付されたイヌホタルイ及びアゼトウガラシ属水田雑草の約33集団が集まり,少なくとも10集団が抵抗性であった。また,岩手県と秋田県で採取したイヌホタルイ及びアゼトウガラシ属水田雑草の42集団を検定した結果では24集団に抵抗性個体が見られた。
イヌホタルイについてスルホニルウレア系除草剤の作用点にあたるアセト乳酸合成酵素(ALS)遺伝子を解析したところ,イヌホタルイには2種類のALS遺伝子があり,それぞれ1144bp,1095bpの異なる長さのイントロンを持つ,約3.2kbpの遺伝子であることが判明した。DNA塩基配列から類推されるアミノ酸配列は,ともに645個のアミノ酸からなるタンパク質で互いに98.3%の相同性を示した。各系統のALS遺伝子の変異部位を調べたところ,抵抗性系統のほとんどは,どちらかのALS遺伝子のドメインAのPro部位に変異が見られた。唯一,秋田県本荘市で採取した抵抗性系統にドメインBのTrp部位に変異が見られた。イヌホタルイのドメインBのTrp部位は今まで日本の水田雑草に見つかっておらず,スルホニルウレア系除草剤以外のALS阻害型除草剤にも抵抗性を示すことが知られていることから,農業現場の抵抗性対策にとって重要な知見となった。
アゼトウガラシ属水国雑草についてALS遺伝子を解析したところ,アゼナ,アメリカアゼナ,タケトアゼナ,アゼトウガラシの4草種とも,イントロンが1つ挿入された構造のALS遺伝子を持つことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 内野彰: "雑草のALS阻害剤抵抗性との機構"日本農薬学会誌. 28(4). 479-483 (2003)

  • [文献書誌] 芝池博幸: "除草剤散布という人為選択:遺伝的多様性の比較から"関東雑草研究会. 14. 2-7 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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