研究課題/領域番号 |
15658010
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
弦間 洋 筑波大学, 農林学系, 教授 (70094406)
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研究分担者 |
瀬古沢 由彦 筑波大学, 農林学系, 助手 (90361310)
菅谷 純子 筑波大学, 農林学系, 講師 (90302372)
半田 高 筑波大学, 農林学系, 講師 (00192708)
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キーワード | コンパニオンプランティング / モモ / ハーブ / 揮発性成分 / アレロパシー / 着果率 / エチレン / コンテナ栽培 |
研究概要 |
落葉果樹であるモモ'紅清水'をラベンダー(Lavendula pterostoesches),キンセンカ(Calendula officinalis)、西洋タンポポ(Taraxacum officinale)とともに40cmx60cmx30cmのコンテナに植栽し、相互の成長・開花結実に及ぼす影響について調査した。西洋タンポポとコンパニオンプランティングしたモモの成長は、対照区(タンポポを無植栽)と比べて劣る傾向を見出した。また、タンポポの株数の増加とともに、成長抑制が大きいことが分かった。タンポポは他の2種のハーブに比べ、10倍以上のエチレンを発生(約13.5μl/l/hr)しており、深根性で地下部での競合を誘導したことと相俟って成長抑制を招いたものと考えられた。一方、ラベンダーとのコンパニオンプランティングでは、同一の根圏に根系を存在させないパーティション法で露地に植栽した場合、モモの成長量が旺盛となった。これは根系からの影響ではなく、むしろラベンダーからの揮発性成分の影響であると推察された。ただし、その成分の同定には至っていない。 さらに、キンセンカとのコンパニオンプランティングでは、モモの着果率が低下することが観察され、その要因について詳細に検討した。キンセンカを植栽したコンテナ植えモモ樹の花粉は、交配実験から明らかに稔性を持つが、雌性器官である胚珠の成長が不完全であることが顕微鏡観察から明らかとなり、キンセンカからのアレロパシー物質の関与が考えられた。葉及び根組織から水抽出した画分において、レタスを用いたバイオアッセイで抑制的に働く物質があることが見出された。事実、同画分の濃縮液を土壌に潅注したところ、モモの落果が認められた。現在、本成分の分析を進めている。 なお、これらの相互関係における要因として養分の競合が推定されるが、モモの樹体各部位毎の多量要素、微量要素とも、コンパニオンプランティングした場合と対照との間に特段の差異は認められなかった。従って、揮発性成分をはじめとするハーブが発生する物質の作用が少なからずモモに影響していることが明らかとなり、今後、農業技術のひとつとして成長制御や摘果効果などの点で応用できるものと考えている。
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